カムドライブプーリのオイルシール外しから、取り付けまでです。
ベアリングを抜くと、ワッシャーがあり、その奥にオイルシールがあります。まずは、このスナップリングを外します。かなり奥なので、ストレートのスナップリングプライヤーが必要ですね。後、やはりガニマタスタイルで無いと、まずこの種のスナップリングは外れないでしょう。やはり工具ですね・・・・
このオイルシールですが、結構緩い感じがします。オイルシールが回ります。(というか、その状態が本来おかしいのかも。。。)
そのままで抜けそうな気がしたのですが、やはりダメ。例の通り、穴を開けて、そこにネジを入れます。
こんな感じでバイスプライヤーでつかみ、スライディングハンマー的にたたき出します。
(上のオレンジの液体はクーラント。抜いたつもりでも結構後から出てくるんですね・・・)なので、こぼれないようにビニールで覆っています。
抜いたら、オイルシールバラバラでした。これじゃ漏れるな。。。
新旧比較。今回このオイルシールは国内調達しました。(Superformanceに頼んだら、誤発注されてしまいました。時間ももったいないので、国内調達。武蔵オイルシール工業製品。22x40x7です。このメーカ品であれば問題ないかと。
このオイルシールを打ち込むのに治具を作成。外径40mmの塩ビパイプです。(ユニオンかな?)ただ、40mmだとぴったりで入らないので、やすりで削っています。
こんな感じで打ち込みます。これなら、斜めに入ることは無いでしょう。
オイルシールにはリチウムグリースを塗り入れました。無事、オイルシールが入り、スナップリングも入っています。(後記:これ間違え。シリコンベースのグリースで無いとまずいです。。。。リチウムだとゴムを侵してしまいます。)
で、ワッシャーを戻します。向きを間違えないように・・・・
で、ベアリングをはめ込むのですが、叩き込みたくはなかったので、ワッシャーと・・・
ナットで押し込んでいきます。このナットですが、古いナットをとっておいた方が良いです。このナットは特殊でM17でピッチ1.0。探したのですが、結局見つからず、予備で買っておいたナットを使いました。また、作業中にシャフトが回ってしまったのに気が付くように、マークをしています。
こんな感じで入るのですが、途中から入らなくなる。というかナットは回っているのに、ベアリングは入っていかない。どうやら、シャフトが手前に出てきてしまうようです。なので、少し叩き込みながら、ねじ込んでいきました。
無事にベアリングもおさまり、スナップリングを戻します。
左右の、ベアリングを入れたら、今度はクランクシャフトのオイルシールです。こちらも叩き込みたくはないので・・・
塩ビ管を使います。ですが、これだとワッシャーがすっぽり管に入ってしまうので、
こんな感じで入れていきます。
シャフトのツラより、若干奥に入るくらいまで入れました。こちらもリチウムグリースを塗って入れています。(後記:これもNG。リチウムではなく、シリコンベースでないとダメです。)
さて、半月キーを戻そうとしたのですが、入りません!こちらも無理に叩き込みたくはないので。。。
オイルストーンで磨いてから入れると、すんなりと入ります。(プーリーなどもそうですが、嵌めるときに苦労するとき有ります。錆とかで摩擦が増えるのですね。そういう時も、水研ぎするとすんなり入りました。)
さて、ここまで来てしまえば後は、戻しの作業です。
一番重要なのは、タイベルをずれないように戻すこと。作業していると、若干動いてしまっています。ギアに入れているのですが、わずかに動く。なので、ずれていたら、一度ニュートラルにギアを戻し、調整していれます。一段ずれると1cmくらい違いますね。なので、マーキングをしっかりしていれば、すぐにずれはわかると思います。
戻しの作業で面倒だったのが
・エアコンコンプレッサー。ステーに固定する前にベルトをクランクシャフト側も通しておかないと、まずベルトかかりません。ステーへの固定は上をまず軽く取付、その後、下のステーを固定しますが、エアコンコンプレッサーの下側のスタッドボルト(下図赤丸)は抜いておきます。
先にタイベルカバーから出てくる方のスタッドボルト(緑丸)を入れてから、下側のステーを取り付け、その後エアコンコンプレッサー側にスタッドボルトを入れます。(この手順で無いとまずはいらない。)その後、エアコンコンプレッサーの上側ナットを締める。3か所あり、かつシムがあるので落とさないように要注意。面倒なのが一番奥のナットです。クリアランスがないので、ラチェットが使えません。なので、メガネレンチかスパナで少しずつ回す羽目になります。(17mmですね。)
青丸のスタッドはエアコンベルトテンショナーの固定用。これは後でもOKです。
エアコンベルトはこの時点で結構張った状態でした。
実は難関が・・・
このホース戻し。なかなか入ってくれない。これを入れるには、一度上のユニットを全部外した方が良いです。で、ホースも抜いて、ホットガンで温め柔らかくすると入りやすくなります。これ写真でよく見るとわかるのですが、よじれた形で入っているんですね。なので、ホースが硬いとまずはまらない。30分以上格闘しました。。。
まぁ、最後の難関が、オルタネータの固定です。これ、もっと簡単にできる方法ないんだろうか?締めるナットがオルタネータの裏側なんですね。ガソリンタンクとエアコンコンプレッサーの間から手を入れ、手探りで探し出します。右手でと角度的に入りません。左手で探りながらじゃないと無理。。。
締める際に、オルタネータを押すようにこんな感じでレンチを突っ込んでいます。これでベルトが張った状態になります。まぁ、後ろが緩くても、オルタネータ左下のネジをしっかり締めれば良いのかもしれません。
ちなみに、関連トルク
・タイベルドライブプーリー 128N.m
・タイベルテンショナー 65N.m
・クランクシャフトプーリー 108N.m
・オルタネータの左下 60~80N.m
・エアコンベルトストレッチャー 66N.m
トルクはこの場合、トルクレンチより、電子式のトルク計測器の方が使いやすいですね。音で教えてくれます。特に100N.mを超えてくると、その方が良いかも。
あとは、オイルを入れて、クーラントを戻します。(エバンスなので、捨てるわけにもいきません。再利用します。一応、ストレーナーとろ紙でゴミは除去しました。
クーラントを戻すのに、こんなのを使ってみました。モノタロウで売っていた、ポンプです。電気ドリルで駆動させます。結構便利ですね。
で、エンジンを久しぶりにかけます。
と、アクシデント!
なんと、ガソリンが漏れてくる!
調べたら、奥のキャブレターに向かっているガソリンホースが抜けてました。(以前、漏れたのもここから漏れたのかもしれない。
で、しっかり締め直し。ついでに他のクランプも増し締め。
再度エンジンをかけ、オイルが漏れていないことを確認。
(正確には、ギアオイルがまだちょこっと漏れている。これはパッキンが甘いせいだと思います。少量なので、次回ガスケットを交換する際に、やり直す予定です。)
試運転しましたが、エンジン音が静かになった?これはオイル交換の効果かな?(オイル漏れ剤とかいろいろいれていたので 苦笑)
初めまして、308GT4で同じ作業をしようと思い参考にさせていただいています。
武蔵オイルシールさんで購入された22x40x7のオイルシールですが外周に金属のハウジングみたいなものがついている物でしょうか??
問い合わせてみたところサイズ的にはあるもののカムシャフトのオイルシールには推奨できないと返事をもらいまして。。。
他で探すと使える物がありエンジン内部シャフト等に使用可能とは書いてありましたが、ゴム素材のみで出来てる様でした。
はい、金属のハウジングがあり、その周りはゴムで覆われていました。AD型というのですかね?AD22407だったかな。
回転軸用のシールなので使えると思い込んでいたのですが???使用周速度とかが問題なのかな?
まぁ、今のところ特にオイル漏れすることもなく使えています。(すでに数年経っていますね。)
この辺、自己責任なのでなんとも言えないです。Superformanceで頼むのが安全かもです。
ありがとうございます!参考にさせてください。